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ピュリツァー賞 イラン人カメラマン、27年ぶりに名乗り

79年のイラン革命直後に反体制派クルド人11人の銃殺現場を写し、撮影者不明のまま米ピュリツァー賞に輝いた写真がある。27年ぶりに撮影者として名乗り出て、先月末、ニューヨークで同賞特別賞を受賞したイラン人カメラマン、ジャハンギル・ラジムさん(59)は、国際社会の思わぬ反響やイラン当局のいらだちに戸惑い、カメラマンを辞めた経緯を振り返り「名乗ったことで再び現場に入る心の整理がついた」と語った。
  写真は79年8月27日午後4時半、イラン西部サダンダジで撮影された。革命後に高まったクルド人による自治要求運動を新政府が武力で抑え込んでいた時期だった。
  イラン紙エッテラアートのカメラマンだったラジムさんは、クルド人など11人が死刑判決を受けた際、裁判長から処刑の撮影許可を受けた。銃殺は判決直後に行われた。「太陽の照りつける日だった。暑さ、銃の音、クルド人が倒れる時に舞ったちりなどすべてを鮮明に覚えている」と語る。
  同紙編集局長が治安当局からラジムさんを守る目的で匿名で写真を掲載。UPI通信社が配信し大反響を呼んだ。同通信は撮影者不明のままピュリツァー賞に申請。80年に同賞を受賞した。同賞としては唯一、匿名者に贈られた賞になった。
  国際社会からの非難を懸念するイラン政府は写真の掲載を禁じ同紙を捜索した。その後、ラジムさんはイラン・イラク戦争での撮影中に左耳を負傷。報道カメラマンを辞め、テヘラン市内で写真館を開いた。
  問題の写真については複数のイラン人が撮影者として名乗り出て混乱が広がった。ラジムさんは「誰が撮影者なのか、問題を早く解決したかった」と名乗り出た動機を語る。米紙の取材に自分が撮影者だと明かした。
  ラジムさんは「名乗り出たことで心の整理ができた。再び報道カメラマンとして現場に入る決心をした」と話す。 (2007年06月毎日新聞)

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